襖は戦後に住宅の大量需要の起こる前はさまざまな匠達によって素晴らしい装飾が凝らされていた『ぜいたく品』のひとつでした。
京桐工芸で作る襖は、骨子(ホネシ)と呼ぶ木材で組んだ格子を基本構造とし、その両面へ紙で幾層かの下貼を施し、その上に仕上げ用の化粧をした紙、または紙で裏打した布を貼って上貼とし、その周りに木製の椽を取り付け、襖の開閉を助けるための引手という、たいていは金属製の手かけを埋め込んだものです。
以上のような構造は、部屋を多目的に使用するため取り外しが簡単に行えるよう適度に軽いものであること、傷みによるパーツの取替えが可能であること、また他の建具と異なり上貼紙の貼替えによって簡単に部屋の雰囲気を変えることができること、といった数多くの特長を生み出しています。
骨下地構造へ従来の工法で下貼加工した襖を「本襖」、あるいは「和襖」と呼ぶことがあります。その伝統的な工法・部材によって抜きんでた性能を持っています。
京桐工芸ではこの本襖を作ることにこだわりを持っています。